相州小田原宿に入ってきた一人の男。
みすぼらしい身なりであるが堂々としている。
旅籠の亭主に勧められて泊まり、七日の間一日三升の酒を飲み、二階で寝ているばかり。
「お前さん、怪しいよ、あの人。また一文無しを引っ張り上げたんじゃないのかい?」
案に違わず一文無し...
「あんたの商売はなんだい?」
「絵師だ」
「絵描きじゃしょうがねえなあ。大工や左官屋だったら家を直してもらうんだけど...」
「あそこに無地のついたてがあるなあ。あれに絵を描いてやろう」
ついたてに描かれた雀は、朝日を浴びると抜け出していく...
演目紹介
右團治が演ずる代表的な噺を一覧で順次ご紹介します。
※「題名」をクリックすると演目のあらすじが表示されます。
麻布の清兵衛さんという屑屋さん
芝の新堀で娘に呼ばれ、訪れた長屋で千代田卜斎という浪人から二百文で引き取ることを頼まれた仏像は、細川家の家臣の高木佐久左衛門に三百文で買われた。
高木が仏像を磨いていると、中から白い包が出てきた。
封を切ってみると五十両の金子
高木に呼ばれた清兵衛が千代田に五十両を持っていくと、自分は仏像を売ったのであり、中の金子は仏像を買った人のものだという...
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